五十嵐美代子 他

2009年6月1日

財団法人三友堂病院医学雑誌 Vol.9 No.1

原著

心臓カテーテル検査前後の患者オリエンテーションの改善をめざして-6か月間の検査前後の訪問を振り返って-
Attempt to improve the orientation of patients performed cardioangiography at 6 months follow up

三友堂病院看護部

五十嵐美代子、河合美奈子、高橋弘美、高木みどり、笹木明美

Key word: 患者、不安、オリエンテーション、看護マニュアル

Miyoko Igarashi, Minako Kawai, Hiromi Takahashi, Midori Takagi, Akemi Sasaki
Department of Nurshing, Sanyudo Hospital

要約

 当院では、平成19年4月より循環器科医師2名の常勤化に伴い、心臓カテーテル検査(cardioangiography: CAG)が急増した。従来の看護師の対応では、多様化する患者の期待に応えられなくなった。そのため検査前後の患者訪問を強化し、個別性をふまえた対応と不安の軽減をはかることが必要であると考えられた。そこで、平成19年4月1日~10月31日までに、CAG・経皮的冠動脈インターベンション(percutaneous coronary intervention: PCI)を受けた患者330名のうち、282名に検査前訪問を行って、患者に関する情報を収集した。検査後の患者・家族を対象に看護師のかかわりについてのアンケートを実施し、質問紙を用いて不安の有無および程度、スタッフへの期待と要望、身体的・心理的苦痛の有無、内容および程度などについての把握を試みた。この検査前訪問と検査後のアンケート調査を基に、検査前後の訪問用紙の改良を行った。さらに検査前オリエンテーションマニュアルを作成し、また、検査中のスタッフマニュアルを策定することによって心臓カテーテル検査における看護の標準化を達成することができた。