渡部悦子 他

財団法人三友堂病院医学雑誌 Vol.10 No.1

症例報告

チーム医療によって人工呼吸のまま在宅療養に移行できた慢性呼吸不全患者の1例
A case of chronic respiratory failure with artifical ventilation converted from hospital to home by a medical team.

三友堂病院看護部

渡部悦子、高橋啓子、安房孝信

三友堂病院内科

仁科盛之、池田英樹

Key words: 在宅医療、慢性呼吸不全、人工呼吸療法患者、呼吸リハビリテーション、チーム医療

Etsuko Watanabe1), Keiko Takahashi1), Takanobu Awa1), Moriyuki Nishina2), Hideki Ikeda2)

1)Department of Nursing, Sanyudo Hospital
2)Department of Internal Medicine, Sanyudo Hospital

要約

 肺結核後遺症および慢性肺気腫のため慢性呼吸不全となり気管切開下人工呼吸療法を行っている70歳代の患者の在宅医療に向けて行った支援について報告した。医師、看護師、臨床工学士、理学療法士、医療相談員、栄養管理士および薬剤師チームを編成し、訪問看護師、ケアマネージャーおよび人工呼吸器関連業者を含めてカンファレンスを行った。医療上の問題、家庭環境に関して情報共有を行い、患者、家族が望む生活に向けての課題や問題点を明確にしていった。その上で各専門職がどのような役割を果たすかを吟味して退院に向けた計画を立て実践した。チーム医療によって人工呼吸器装着のまま在宅療養へ移行することができた。