野間祥子 他

2008年3月13日

財団法人 三友堂病院医学雑誌 Vol.8 No.1

原著

『栄養一口メモ』の現状と課題
The present condition and future challenges of “nutrition advice for patients”

財団法人三友堂病院医療技術部栄養管理室

野間祥子、梅津民子、岡田沙希、伊藤智子、三村友恵、二宮久美子

Key word: 栄養教育、健康、メタボリックシンドローム

要約

 栄養管理室では外来において『栄養一口メモ』を掲示しており、その評価と今後の栄養教育の方向性について検討するために、外来患者に対してアンケート調査を実施した。対象者は外来受診患者204名(有効回答182名)、アンケート内容は『栄養一口メモ』、健康、メタボリックシンドロームの三大項目であり、三人の栄養士が直接聞き取りアンケート調査を行った。調査の結果『栄養一口メモ』を知っている人は57%、健康に関心がある人は86%、メタボリックシンドロームを知っている人は51%であった。『栄養一口メモ』の認知度は掲示場所や健康への関心の高さによって差が出たものと考えられた。またメタボリックシンドロームに関しては糖尿病、脂質異常症、高血圧を持っていても認知度が高いとは限らず、健康に関心がある人ほど認知度が高かった。これはメタボリックシンドロームという言葉のみがひとり歩きし、内容について正しく認識されていないと考えられる。しかし「『栄養一口メモ』を知っていて健康に関心がある」「『栄養一口メモ』とメタボリックシンドロームを知っている」「健康に感心がありメタボリックシンドロームを知っている」のいずれの場合でも相関が認められた。