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研修医プログラム(心臓・循環器内科)

研修医プログラム(心臓・循環器内科)

研修医プログラム(心臓・循環器内科)

はじめに

1.巨大組織の一歯車になるよりは、独立した一個の医療人に

医師の道を志した原点に立ち返り、悩める病者を直接救済できる医師になって欲しいと思います。すべてが首都圏に集中し、地方の救急医療は壊滅的な打撃を受けている昨今、諸君のような優秀な若手医師の力が、地方にはぜひ必要なのです。置賜地区24万人の急性心筋梗塞の死亡率は現在約20%であり、東京都での死亡率の3倍に上ります。東京でなら救命できる命が、山形では救命できないというような不合理が許されるでしょうか?

2.卓越した医療技術と洞察力を持とう

どんなに高邁な理想をもっていても、裏付けになる卓越した医療技術がなければ、実際に患者さんを救命することはできません。循環器領域でも、1977年、スイスでA.Gruntzigが世界で初めてカテーテル治療(PCI)に成功して以来、世界中に急速に普及し、本邦でも年間20万人の方が このカテーテル治療を受ける時代になりました。私の専門も、このカテーテル治療(PCI)であり、現在まで約7000例を経験、急性心筋梗塞に対する緊急カテーテル治療(PCI)も約1000例の経験があります。冠動脈造影は、約3万例の自験例があります。私が現在までに得た技術とノウハウの全てを、後進の皆様に伝授したいと思います。

3.(一財)三友堂病院 心臓・循環器内科の現況

2007年4月より、三友堂病院 循環器科は、本格的な活動を開始しております。2007年4月~2008年3月の一年間に、CAG(冠動脈造影)547例、PCI 184例(緊急PCI 27例)、PTA 20例(CAS 4例)、恒久的ペース=メーカー植え込み29例を施行。初年度ですでに山形県下第2位の実績を上げています。心臓血管外科手術の適応患者さんは、東北随一の実績を誇る(一財)仙台厚生病院心臓病センター(柳沼厳弥先生)と連携をとっております。2008年4月、日本循環器学会循環器専門医研修関連施設の認定を受けました。

4.後期研修スケジュール

3年間の研修の間に、循環器専門医として必要な基礎的な技能を全て修得していただく予定です。心電図読影1000例、心臓超音波検査300例、冠動脈造影300例、恒久的ペース=メーカー植え込み30例、PCIの第一助手150例、IVUS 75例の実施を予定しております。その他、年間最低3題の学会、研究会発表、年間最低1題の論文発表をしていただく予定です。日本循環器学会循環器専門医試験、日本心血管カテーテル治療学会の認定医試験(実技試験)の受験を積極的に奨励いたします。その他、何か私どもでお役に立てることがございましたなら、いつでも対応いたしますので、どうぞお気軽にご相談ください。

心臓・循環器内科プログラム

1.後期研修1年目

心電図読影350例、心臓超音波検査100例、冠動脈造影100例(術者)、
恒久的ペース=メーカー植え込み10例(第一助手)、PCI 50例(第一助手)、
IVUS 25例(第一助手)の実施

年間最低2題の研究会発表(症例報告)

後期研修1年目年間習得項目;

a. PCIの歴史と理念、PCIを施行するための基本条件と基本姿勢;
(PCIを施行する医師の基本的な心構え“For the patient”、 前投薬、手技時間、
造影剤の総量、 患者の放射線被曝の低減化。)

b. PCIの適応と禁忌(病変の適応と患者側の条件、PCIを施行する医師の条件;
特に初心者、中級者、上級者別の適応基準)

c. PCIに必要な多方向冠動脈造影の基本と読影法;
冠動脈解剖の完全な理解、CAG読影の習熟、

d. 基本アプローチ法の習得(TRI、TFI)

e. カテ室システムの理解;
人員配置、圧ライン、monitor、救急薬品、危機管理

f. 基本手技の理解:ガイドワイヤー、ガイドカテーテル、バルーン、DCA、
cutting balloon、stent(BMS,DES)、IVUS、

g. IVUSの適応と読み方

h. 合併症の基本的な理解と対策の理解:dissection、stent合併症、acute occlusion、
distal embolism、冠動脈穿孔、ガイドカテーテル合併症、PCI合併症、DCA合併症、
cutting balloon合併症
その他(薬剤:チクロピジン、ヘパリン,クロピドグレル→TTP,HIT, blue toe(digit)
syndrome)合併症

i. 各種lesion specific PCIの基本的な理解:
入口部、分岐部、diffuse病変、small vessel、石灰化病変
acute coronary syndrome、バイパス不全(SVG、ITA)、
再狭窄病変、ISR(in stent restenosis)

j.戦略(strategy)の基本的な理解:多枝病変、低心機能、only remaining artery、
CABG後症例、腎機能障害例、多臓器疾患合併例

k.術後ケア(止血方法の習熟、出血性合併症への対処、腎不全例など)

l.その他:IABP、PCPSの習得、適応と合併症の理解

2.後期研修2年目

心電図読影350例、心臓超音波検査100例、冠動脈造影100例(術者)、
恒久的ペース=メーカー植え込み10例(術者)、PCI 50例(第一助手)、
IVUS 25例(術者)の実施

年間最低3題の学会、研究会発表、年間最低1題の論文発表(症例報告)

後期研修2年目年間習得項目

a.ガイドカテーテルの選択と操作方法
1)解剖学的特性に応じた選択と操作方法
(前・後方、後位、分岐角度、plaqueの有無、屈曲による操作困難に対する対処等)
a)transfemoral、b)ransradial、c)小口径と大口径ガイドカテーテル
2)ガイドカテーテルによる合併症の理解と予防方法および対処方法
(入口部解離、spiral dissection、AR、虚血、blue toe syndrome、stent脱落・変形、
冠動脈内塞栓、等)
a)カテーテル合併症の種類と原因、b)予防方法と対処

b.動脈解離に対する対策
冠動脈解離に対するstent留置は、stentの濫用の一因となっている。
適当な対処方法の習得が必須。
1)各種dissectionの特徴と予後およびその評価方法
(冠動脈解離の分類、ガイドカテーテルによる解離、stent edge dissection、
その他特殊な解離)
a)各種dissectionの特徴と予後、b)評価方法と処置(CAG、先端造影、IVUS、等)
2)緊急対応が必要な冠動脈解離と治療法の理解
a)緊急対応が必要な冠動脈解離の特徴、b)stent、その他(DCA、cutting balloon、
wire、IABP、等)の具体的な使用方法

c.stent合併症の種類と予防方法の理解
(stent脱落、stent変形、stent recoil、stent jail、冠動脈穿孔、SAT、plaque shift、
急性閉塞、等)
1)stent合併症の種類と原因、
2)各種合併症の予防方法

3.後期研修3年目

心電図読影350例、心臓超音波検査100例、冠動脈造影100例(術者)、
恒久的ペース=メーカー植え込み10例(術者)、PCI 50例(術者,TypeA,B1 lesion)、
IVUS 25例(術者)の実施

年間最低3題の学会、研究会発表、年間最低1題の論文発表

後期研修3年目年間習得項目

a. PCIの基本手技(術者);
3S-PCI(Simple,Speedy,Safety)の重要性。基本に忠実に。

b. 基本戦略(strategy)の作成;病変へのアプローチ法の決定、ガイドカテーテル、
ガイドワイヤー、バルーン、ステントなどのPCIデバイスの選択。

c. ガイドカテーテルの選択と操作法(power position) trans-femoral(TFI),
trans-radial(TRI)、

d. PCIガイドワイヤーの特性、病変による使い分け;
ガイドワイヤーの操作法(病変を如何に安全確実に選択するか?)

e. Balloonとステントの特性、病変による使い分け;
Balloonの素材とコンプライアンス/ノンコン・セミコンと病変での違い、各種ステント
の特性、使用方法。バルーンの通過拡張(前拡張)、ステントの位置決め、適正な
加圧はどのぐらいか?

f. 合併症の回避。(ステント合併症、冠動脈解離、穿孔、急性冠閉塞ほか)
予防と対策。バックアップ体制。

g. stent合併症に対する対処
1)delivery failure(delivery困難、脱落、dislodgment、stent jail)の対処
2)その他(動脈穿孔、SAT、plaque shift、plaque protrusion、急性閉塞)の対処

h. DCAの基本手技
1)deviceの構造と適応および基本操作
2)各種病変の部位・性状に応じたテクニック
3)IVUS guideの基本

i. Rotablatorの基本手技(予定)
1)deviceの構造と適応および基本操作
2)各種病変の部位・性状の応じたテクニック
3)合併症を回避するための基礎知識と工夫

j. Cutting balloonの基本手技
1)deviceの構造と適応および基本操作
2)各種病変の部位・性状に応じたテクニック
3)合併症を回避するための基本知識と工夫
4)より良い長期成績を得るための基本手技

k. 再狭窄と再血行再建(TLR)、心臓血管外科医とのチームワーク。
(いつ、どんな場合にCABGを選択するか?)追跡造影、フォローアップ期間、後投薬は?

l.終章;我々は何の為にPCIを施行するのか?
1)IVUSが有用な場合は?ニューデバイスが必要な場合は?
2)循環器疾患治療領域の新しい試み、これからの展望。

プログラム指導責任者

心臓・循環器内科科長 阿部秀樹
氏名 阿部秀樹
役職等 役職診療第三部部長
放射線部部長
地域医療部部長
専門分野 循環器疾患

医師詳細はこちら

 指導医:阿部秀樹のプロフィール

  • 1980年     札幌医科大学卒業
  • 1980年 4月~ 札幌医科大学第二内科
  • 1985年 6月~ 小倉記念病院 心臓病センターで研修
  • 1986年 7月~ 2007年3月、北海道札幌市で勤務(北光循環器病院、北斗循環器病院)
  • 2007年 4月~ (一財)三友堂病院 循環器科科長

カテーテル治療(PCI)自験7000例、東北地方屈指の循環器専門医の一人である。現在、日本内科学会 認定内科医、日本循環器学会専門医、日本心血管カテーテル治療学会理事、大連市中心医院(市立総合病院)名誉教授。講道館柔道 参段。

循環器科実績

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