桃園綾 他
2010年7月2日
財団法人 三友堂病院医学雑誌 Vol.3 No.1
原著
乳腺ステレオガイド下針生検手技における一考案
The design of technique in the stereotaxic mammary core-needle biopsy.
三友堂病院放射線部 |
桃園綾、杉浦里美子、伊藤嘉美、渡部保明 |
三友堂病院外科 |
松嵜正實 |
Key word:マンモグラフィー、ステレオガイド下針生検、乳房撮影精度管理
要約
乳房撮影装置におけるステレオガイド下針生検は、侵襲が少なく簡便な方法である。しかし、病巣が乳房撮影装置の乳房載テーブルに近い場合には、生検針がテーブルを打ち抜く危険性から施行できないことがある。これを回避するために当院では、あらかじめテーブルと乳房の間に一定厚のディスポ紙ガーゼで作成したマットを挟み込むという方法を考案した。
この方法について、日本マンモグラフィー検診精度管理中央委員会の乳房撮影精度管理マニュアル基準に基づいて、画像および乳腺線量の点から評価検討した。
ガーゼマット使用により画質は若干低下したが、画像基準は満たされており、検査に支障を生じることはなかった。平均乳腺線量は、紙ガーゼマット未使用時1.29mGy、紙ガーゼマット使用時1.53mGyで大きな増加はなく基準内であった。
乳腺ステレオバイオプシー時の紙ガーゼマット使用は、画像ならびに乳腺線量ともに乳房撮影精度管理マニュアルの基準を満たしており、検査の質を低下することのない、有用な考案であると考えられた。