大峽雅男 他

2006年4月13日

財団法人 三友堂病院医学雑誌 Vol.6 No.1

原著

三友堂病院患者満足度調査の統計解析結果について
The statistical analysis of patient satisfaction at Sanyudo Hospital.

財団法人三友堂病院総務部

大峽雅男

三友堂病院総務課

大石法子、宗川孝一

Key word:経年患者満足度調査、探索的データ分析、年齢階層の差、多変量解析

要約

本研究の目的は、平成10年より三友堂病院において実施している患者満足度調査の結果について、統計解析による探索的データ分析を行うことである。
回答者の性別及び年齢層は、χ
2検定において有意差は認められなかった。
入院全般の満足度(以下総合満足度)について、t検定では、性別および回答者種別に有意差は認められなかった。しかし、回答者の年齢を三層に分類しt検定を行った結果、階層間の総合満足度に有意差が認められた。満足度の評価が厳しい層について、更に年齢を階層化して差の検定を行ったが、有意差は認められなかった。この結果から、満足度の改善を図る場合、どの階層を対象にするのか明確化を図る必要があることが判明した。また、年度間の総合満足度の差について行った多重比較(Tukeyの検定)では、平成10年と12年の間に有意差が認められた。
質問項目を変数として、主成分分析と重回帰分析による多変量解析を行った。主成分分析では寄与率82%までの成分を抽出し、意味付けを行った。更に、変数増減法による重回帰分析を行い、総合満足度に影響を及ぼすパラメータを抽出した。
多変量解析の結果から、満足度評価の厳しい世代に対する医療サービス提供のあり方について、仮説を立てた。