藤倉貴子 他

2010年7月2日

財団法人 三友堂病院医学雑誌 Vol.2 No.1

原著論文

訪問看護ステーションにおける24時間電話連絡体制
-電話相談及び臨時訪問・アンケート調査の分析-

The telephone communication systems on duty 24hours a day of Sanyudo home care nursing station
-Analyses of the telephone contents, the state of the incidental visiting and the questionnaire-

三友堂訪問看護ステーション

藤倉貴子、桑原和子、大橋明美、梅津由美子、佐藤美幸、新田冨美子、高橋時子

Key word:電話相談、臨時訪問、アンケート調査

要約

 当訪問看護ステーションが現在行っている24時間電話連絡体制を分析することで、今後の訪問看護の改善点および参考点を見い出そうとした。
平成10年5月から平成13年3月までの電話相談内容および臨時訪問時の状況を分析した結果、相談件数が年々増加するなかで病状に対する相談件数の占める割合は、減少傾向であった。一方医療機器装着者の機器トラブルに対する相談件数の割合は横這いであったがその実数は増加していた。医療機器装着者の多様化に伴いトラブル内容も複雑化していた。
平成10年5月から平成12年までの訪問看護利用者の介護者へのアンケート調査を行った結果、介護者の有病率が高いこと、夜間の医療機器に対する不安が多いことが分かった。またこの24時間電話連絡体制および臨時訪問制度に対する認知度は高いもののその利用率は半数に過ぎない事が分かった。
これらを踏まえて定期訪問時に、相談の多い病状とトラブルについて対処の仕方を繰り返し説明する必要性を痛感した。