田中裕行 他
財団法人三友堂病院医学雑誌 Vol.13 No.1
特集 チーム医療
Letter to Editor
手術における患者安全管理に対する取り組みの検討
Evaluation about attempts for the patient safety management in the operation
田中 裕行1)、青木 千恵子1)、情野 弘子1)、高橋 洋子1)、笹木 克子1)、石月 美香1)、小山 遥1)、市川 萌美1)、佐藤 夏樹1)、佐藤 陽子1)、塚田 茜1)、鈴木 裕子1)、
川村 博司2)、横山 英一2)、鈴木 武文2)、笹木 勇人3)、豊島 定美3)、菅原 裕史3)、中島 拓3)、新宮 正4)、日野 安見子5)、蒲山 順吉6)、加藤 晃7)
1)三友堂病院 看護部 手術室チーム
2)三友堂病院 外科
3)三友堂病院 整形外科
4)三友堂病院 脳神経外科
5)三友堂病院 泌尿器科
6)三友堂病院 眼科
7)三友堂病院 麻酔科
Key words: 手術、患者安全管理、患者誤認防止、タイムアウト、手術安全チェックリスト
Hiroyuki Tanaka1), Chieko Aoki1), Hiroko Seino1), Yoko Takahashi1), Katsuko Sasaki1),
Mika Ishiduki1), Haruka Koyama1), Megumi Ichikawa1), Natsuki Sato1), Yoko Sato1),
Akane Tsukada1), Yuko Suzuki1), Hiroshi Kawamura2), Eiichi Yokoyama2), Takehumi Suzuki2), Hayato Sasaki3), Sadami Toyoshima3), Hirobumi Sugawara3), Taku Nakajima3), Tadashi Shingu4), Amiko HIno5), Junkichi Kabayama6), Akira Kato7)
1)Department of Nursing, Operation Room Team, Sanyudo Hospital
2)Department of Surgery, Sanyudo Hospital
3)Department of Orthopaedics, Sanyudo Hospital
4)Department of Neurosurgery, Sanyudo Hospital
5)Department of Urology, Sanyudo Hospital
6)Department of Ophthalmology, Sanyudo Hospital
7)Department of Anesthesia, Sanyudo Hospital
要約
手術件数の増加、手術術式の多様化に伴い、手術における患者安全管理は複雑化してきている。これに対応して当院手術室チームはこれまで安全に関する取り組みを継続して行ってきた。最初に2010年12月、手術室チームスタッフ教育として「安全管理についての勉強会」の開催を行い、安全に対する意識の向上を図った。その後、2011年2月、「タイムアウト」を導入した。「タイムアウト」とは、執刀直前に手術に入るメンバー全員で一斉に患者確認をすることであり、患者誤認防止に繋がった。さらに、同年11月、入室から退室までの安全確認を一貫してチェックできる「安全確認チェックリスト」の運用を開始した。チェックボックス形式で作成したこのリストは、チェックの欠落を防止し、経験年数にも左右されずに確実な確認に結びついた。
これら手術での患者安全管理に関する取り組みを行う上で、医師や看護師をはじめとするチームスタッフ全員が事故を未然に防ぐことを目指して、コミュニケーションを密にして協力し合うことが重要であると考えられた。